ねこねこまいまい
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ねこねこまいまい
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こんなところでどうされましたか?🪁
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🕊<

ならば鴎は一体。
どうやって深海へ行ったのだろうね
海が深い事を知る必要のない魚もいる

打ち上がった波に乗り、岩間の窪んだ小さな海に入ってしまったそんな君。

君からすれば、
私はそんな岩の上空を通りがかった鴎が落とした深海魚といったところか。
君を見ていると、
君を大切に想う人達が、
君に見せてきた世界を垣間見る時がある。

君はまるで何処かのお姫様で、
真っ直ぐ私の瞳を見て言うんだ。

”そんな事をしたら、
あの子が可哀想。”と、

それを言われた私はそれ以上、
何も言えなくなる。
君の、口癖だから。

君が、その事を言う世界を守る為に
私は居るのかも知れないななどと、
思ってしまうくらい悲しい目をする。

私はいつも
”そうか”と返して、自分なりに微笑んでみる。

一体。
君に私はどう映っているのだろうね。
”ねぇ、君は侘び寂びって何の為にあると思う?
きっと君はその花畑のその先の、
奥に行く頃にね、

あぁ、きっとその時は私はもう語れないから、君がその景色をその風状を、その、場所で、体得するといい。

その頃までここを出来るだけ維持しておくよ”
”そう、どす黒いハレー彗星はね、ロマンじゃなくて、情けなくて途方もなくおっかないプライドが引き起こした悲劇だったんだよ。
それはね、それを知る数少ない人間によって今日という日に語られたのさ。

ロマンはね、ロマンはもっと遠い所にある。
それは必ずあるから、諦めてはいけないよ。”
”どうしてそれはどす黒いハレー彗星だったのか”
とおの昔に阿修羅を生きる動物の世界を眺めてる場合ではなくなってんのよ、私たちも。

フィールドに放たれてるの。

360℃見渡してごらん。

あれがハイエナ、あれはキリン。
あれが私のトラクター。

綺麗な大輪の花が咲き誇る草原に
行きたいんだったわね?
生憎このトラクター、一人用だから
もうしわけないけど、この紐、貴方の乗ってきたその車に結んでくれない?
この紐?
何か鯨の横に浮いてた。
黄金色のロープなんて珍しいわよね?

絶対見とくべきよ。
あんな花畑、めったに見れないから。
ちゃんと今見ておくのよ。
ほんとは鏡を叩き割って向こうへ行けなくしてやろうとしてたの。
私が私にいじわるを。

でも破裂して腑を海に還す鯨をみちゃったら私も

ナショジオの世界にちゃんと生きようと思ったわけ。

船から観察者が言ってた『ナショジオだー』って、それを眺めて思ったわ。
あんたもそれを観てる私もナショジオなんだけど?って。

だから、生憎、私はゴミ箱に捨てられるなんてダサいこと許さないし、最後は綺麗に爆破してやろうかと思ったのよ。
私のために。

盛大生きたったわよ。
というわけ。

それで、My life driven.
「誰!こんな所にこんな薄気味悪い汚い花を飾ったのは!花瓶の水が真っ赤じゃないの!」

まるで血液のような花瓶の水が磨り硝子越しに浮かび上がり、

「あのねぇ!私は芸術における感性だけはお父様譲りなの!こんな薄気味悪いものこんな所に飾って…!お父様が知ったらなんと仰るか…!」

そう言って花瓶を掴むとそのままゴミ箱へ放り投げた。
父親譲りの短気な性格のお陰で、メイド達は自分達の手を汚す事なく娘の手によって老人もこの件も闇へ葬られた。
それは事件から数ヶ月して遺体付近から花が咲いたのをメイド全員で鋏を一つずつ持ち、
咲いた一本ずつを老人が1番花が美しく見えると言っていた鋭利で残忍な刈り方でその花を刈った。
そしてそれをいつもと同じように全員でキャビネットの花瓶に生けた。

それから週数間。

ちょうどその花が萎れかけてきた所に先の事情でこの娘が居合わせた。
老人の車椅子が私有地の滝から見つかり、事件の予感もある中、遺産目当ての娘が、孤独から来る老人の自殺との一点張りで主張し続けてくれた為、メイド達に疑いの目は(少なからず表面上は)向けられる事はなく、田舎の資産家と地元の警察との穏やかな交渉が成立していった。

グロテスクな利害一致が本人が望まぬ所で結ばれていく結末に追い討ちをかけるように娘が父に歪な愛情のプレゼントをした。
振り返り、殴られかけていたメイドに言った「もっと綺麗な花にね。育つ方法を私、知ってるわ…。」

すると殴られかけていたメイドが
「…ちょうど良かった。私ね、この世で1番美しい花を見てみたいの…。」

濁流の音と血に染まる滝壺を眺めながらメイド達はアリバイを示し合わせた。

運び出した遺体を盛り返していた花の辺りに埋めて、その上に種を蒔いた。

そして、老人からの言い付けと称して決めたルーティンを守り続ける事でメイド達以外の人を極力近づけないようにした。
するとすかさずメイドは
「違うんです…、旦那様は刈る方が花がお綺麗だとおっしゃいますが、私共…、私はこちらの方が花が生き生き美しく長持ちするので、旦那様は美しい物がお好きですので…。なるべく枯らさぬよう、このように摘ませて頂いたのです…。どうか、お許しを…。」

「お前は俺にケチをつける上、まだその上をいこうと上から物をいうのか!!」
杖が振り上げられたその時、車椅子が急に動いた、
「何をする!はなせ!やめろ!!」
メイドの一人が車椅子を掴み急発進させたら近くの滝まで運び、崖から車椅子ごと突き落とした。
そんなメイドの起点が悪夢に変わる時がきた。

いつものように裏山に老人とメイド達が花を刈りにきた際に、老人がある異変に気がついた。

「何故ここの土が盛り返しておるんじゃ?誰か答えよ!」

するとメイドの一人がスッと手を上げて
「私です…。」と答えた。

すると老人は持っていた杖でそのメイドの靴を突きながら、「何故、お前は私の命令に背いてそのような事をし、た、ん、じゃ!!
」と怒鳴り散らした。
そんな生花が段々と色もくすみだし、首を垂れてきた

ある夜中、それに気づいた老人が持っていた杖でキャビネットを執拗に叩く。

物騒な物音に飛び起きたメイドが何があったのか尋ねる。
「私の家にこんな汚いものを何故置いておく!!さっさと片づけろ!!」

また次の週。

裏山にて、花を刈り、そして今度は夜中に癇癪が起きないよう、老人には知るよしもない暗黙のルーティンがメイド達で行われる事となった。
老人と同行する際は彼の指示に添い刈るが、メイドによる収穫は極めて花の扱いに生命を感じさせる心遣いがあった。
花の収穫にも拘りがある。
裏山の広大な花畑にメイドと赴き、鋏を持ったメイドの手首をいきなり掴み、

「そんな刈り方では!花が色付かん!!」などと怒鳴り散らし、私有地ならではの傍若無人で泣かせては震えて刈れない自分の手の代わりにメイドに刈らすのであった。

花は摘むのではなく、刈る。

メイド達が、刈った後の花の根元に集まり、痛ましく刈られた後をまた次の季節に芽吹くように整えてそっと手入れを行った。

綺麗な花を車椅子の膝の上に乗せ、別のメイドに操作させながらそんな葬儀があるとも露も知らずこの老人は花に一度も視線を落とす事なく急いで帰路に向かった。
大きな一枚絵の前、キャビネットの上に花瓶を叩きつけるように置く。
それがいつもの彼の癖だ。
そしてそこに綺麗な花々を使いに持って来させて生けさせる。

「やっぱり花瓶には花だな。
花は黙って私を喜ばせればせてくれる。」

全てにおいて暴力的な行いが、この一言に現れている。
勿論、花瓶に花以外を生けれる感性など持ち合わせていない。
ちょっと早いハロウィンか、遅い肝試しか👻
🚣‍♀️オーエス、オーエス🌊
凄いスピードで飛沫を上げたクルーザーを一心不乱に進ませながら振り返る事なく背中から一言飛んできた。

「ぶつぶつ言ってないでそのケースの中にある栄養剤を飲んで早く寝ろ。」

私たちは気絶する様に深い眠りに落ちた。
「(隊長、この方って…。)」
息を潜めて隊員が毛布で口元を隠しながら訊いてくる。

「(そうだ、先の部隊で僅かに生き残った方の一人だ。私の一つ上の部隊の先輩になるが、他人にも自分にも刃物を向けるように生きている。あれだけ過酷に生きて来られたのだから仕方ないとは言え、言葉運びにはくれぐれも気をつけろ。
知識は私より遥かにある方だ。学べる所は沢山あるはずだ。)」
隊員が静かに頷くと私と隊員は一睡もせず日の出を眺めた。

「隊長…、あれ…。」
隊員の指差す方からクルーザーが迫ってくる。

見覚えのある顔と声。

あれは先の部隊の…。