黄色い部屋
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黄色い部屋
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待て!ジョナサン・ジョースター わたしは人間だ……
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ラフカディオ・ハーン『怪談』(翻訳:円城塔)読んだ
もともとはハーンが日本の不思議な話を英語読者に紹介するために書いた『KWAIDAN』が日本語に訳されて読み継がれてきたわけだけど、
この翻訳は「日本という言葉もよくわからない国の不思議な話を英語読者がどう読んでいたのか」という視点で訳されてる

たとえば"耳なし芳一"をハーンはあくまでも"ミミ・ナシ・ホーイチ"と書いていて、英語読者がすぐに理解できるように"ホーイチ・ジ・イヤーレス"とは書いていない、みたいな

『耳なし芳一』『雪女』とかの有名どころもいいけど『かけひき』が好き
すごい理屈なんだけど「なるほど!」と納得させられるパワーがある
今村昌弘『兇人邸の殺人』読んだ
剣崎比留子シリーズの3作目、過去2作も凄かったけどこれが一番好きかもしれない
読み始めたら止まらなくなって結局一気読みだった
ラストで若者の背中を押す2人が切なくてね…
あと特典の見取り図カードが本当に役に立った

火村とアリスみたいな変わらない2人も大好きだけど、葉村くんと比留子さんみたいに成長していく姿も素晴らしいね
有栖川有栖『月光ゲーム』東京創元社70周年カバーで買ってたものを再読
こっちも最初に読んだのは10年くらい前?
長編デビュー作にして学生アリスシリーズの記念すべき一作目
新入生アリスが英都大学推理小説研究会に入会して夏休みのキャンプ合宿で遭遇する事件、災害、クローズドサークル、疑心暗鬼の中の極限状態
再読なので推理よりは登場人物たちそれぞれの感情の流れを自然と追っていたけどすごく丁寧に描かれているんだなと思った

現在までの有栖川作品を読み漁った今になって読むと、やっぱり今の文章って洗練されてるというかすっきりしてるんだなと思う
江神さんもよく喋るというかなんか雰囲気が違うのが味わい深い
有栖川有栖『山伏地蔵坊の放浪』新装版になったので再読
前に読んだのは10年くらい前だったと思う
とある町のバーに現れる謎の山伏・地蔵坊が常連客たちに自分が解決した殺人事件について語り、推理に必要な情報が出そろうと常連客達が犯人当ての推理するがどれもハズレ、最後に山伏が正解を、という流れの連作短編集
本当にあった話?そもそも本当に山伏?そして最後は……

トリビュート作品の『山伏地蔵坊の狼狽』(阿津川辰海)も後日談として一緒に読むと楽しい
櫻田智也『失われた貌』読んだ
身元が分からないように損壊された死体の発見から始まる警察の捜査の話
一つ一つの描写が手がかりに、そこからさらに新たな関係者が、と繋がって最後に事件の解決にたどりく過程が"これぞ推理小説!"って感じで大好き

昆虫好き青年・魞沢泉シリーズもそうだけど登場人物たちの会話が軽快で楽しい
特に剣菱弁護士、なんなんだあんた
残業続きで何もできん😶‍🌫️
中島敦『李陵・山月記・弟子・名人伝』 『文字禍・牛人』読み終わった
少し前に中島敦の展示を観に行ったけど教科書の『山月記』しか読んだことないなぁ、と思って読み始めた
現代の小説に慣れすぎてるせいで読みづらさはあるけど、現実の問題ではなくて"自分の感情や思考"について考えて考えて考え続ける登場人物たちの姿がかえって新鮮な感じがした
原浩『身から出た闇』読んだ
短編の間に作家と編集者のやりとりが挟まる短編集
一つ一つの話に面白さも怖さもあるんだけどそれをただの短編集じゃなくてこういう形にしたことで何か別の話になってるのが面白かった
怖いものを求めるというのはどういうことなのか、を考えるのも怖い
矢樹純『マザー・マーダー』読み終わった
連作短編集でそれぞれ視点人物が違うけど共通してとある母親と息子が登場する
周囲の人間を嫌な気持ちにさせるために存在しているような母親が本当にキツい
ただし、彼女に振り回される人達もそれぞれどこか歪んでいて作品全体が重い空気に覆われてる感じがする
総じて陰鬱な話だけど仕掛けがたくさんあるミステリで何とも不思議な読後感です
矢樹純『血腐れ』 読み終わった
怪異より人間の方が怖いよね、な感じかな~と思って読んでると「そっちか!」となるホラー短編集
全部一人称視点の話だけどそれぞれ調理の仕方(?)が違って楽しい
『爪穢し』が一番好きだけど『骨煤』の後味も好き
斜線堂有紀『愛じゃないならこれは何』読んだ
恋愛によって今までの自分が何もかも変わってしまう感覚、頭ではおかしいと分かっているのにそこから逃げられない感覚、自分の薄っぺらい恋愛経験の中でも感じた息苦しさがすごく突き刺さった
めっきりホラーかミステリしか読まなくなった中で読んだ恋愛小説だったからかすごく新鮮で楽しかった

余談だけど、いつか読もうと思っていた作家さんでタイトルが好きだったので初めて買ってみたら恋愛小説だった、という偶然の出会いだった
漠然と"推理作家"のイメージだったから何気なく手に取ってレジに向かったけど今読み終わって心から買って良かったと思った
今村翔吾『イクサガミ 神』読んだ
最終巻、ということで蠱毒を生き残った人たちの激闘が!
誰かに想いを託すこと、誰かから想いを託されること、そういうことの素晴らしさが描かれた爽やかな最後だった
四蔵くんvs幻刀斎が好きです
原浩『蜘蛛の牢より落つるもの』読み終わった
今はダムの底に沈んでしまった村に伝わる比丘尼の伝承、かつて村のキャンプ場で起きた不可解な生き埋め事件、渇水でダムの水位が下がるにつれて現れる怪異、真相に迫ろうと奔走するオカルト雑誌のライター……全てが一つの解決に収束していく過程が楽しい、好き
久しぶりに実家に帰ったので怒涛の三冊読み
原浩『やまのめの六人』読んだ
著者の新刊がでたので前作を先に読むことにした(デビュー作『火喰い鳥を、喰う』は以前読んだ)
「もともと5人だったはずなのに今6人いるぞ、誰が増えたんだ」な話と疑心暗鬼の中で起こる殺人、怪しい家族、怪異"やまのめ"が見ている……なサスペンスホラー
誰が増えたのか、は割と分かりやすかったかも
怪異の目的というか生態というかみたいな設定が好き
背筋『近畿地方のある場所について』文庫版 読んだ
「単行本版と違う」という宣伝どおりにだいぶ違う内容になってる、というより別のテーマを持ってるように思う
後味の悪さは文庫版の方が上な気がする
澤村伊智『怪談小説という名の小説怪談』 読んだ
一話完結の怪談短編集。こういう話、と思って読んでると引きずりまわされる感じが楽しい。悪意のある人間というか人間の悪意の表現がなまなましいのがさすがだ
『北斗の拳 イチゴ味』最新刊まで読み終わった🍓
シン、アミバ、リハクあたりが好きだけど一番はやっぱりターバンのガキだ
小野不由美『営繕かるかや怪異譚 その参』読んだ
好きな短編集シリーズの3作目
怪異の影響でどうにもならなくなったタイミングで現れる営繕屋・尾端
あの閉塞感が破られる感じというか空気が軽くなる瞬間がたまらなく好きだ
もちろんどの話も好きだけど『火焔』の尾端登場までの胸糞悪さは随一だと思う
『イシナガキクエを探しています』書籍版読んだ
映像作品全4回のおさらいとその裏側で何が起きていたか、と追加でその後のエピソードが収録されてる
イシナガキクエとは何者だったのか、についてはほぼ答えが書いてあるので気になる人にはオススメ
逆に考察の余地がある方が好きな人は読まない方がいいかもしれない
QRコードから新規映像も観れるようになっててそれもだいぶ不穏で楽しい
宇佐美まこと『夢伝い』読んだ
日常から始まって「そっちに行くのか」となる湿度高めな怪談短編集
ガッと変わるのではなくじわじわと怪異に侵食されて異様な場所に連れていかれるような感覚が楽しい
全部良かったけど個人的には『愛と見分けがつかない』、『沈下橋渡ろ』が好き
ライドウ楽しい🐈‍⬛
戦闘けっこうシビアだけど
貴志祐介『梅雨物語』読んだ
同じ作者の『秋雨物語』がホラー寄りミステリだったのに対してこっちはミステリ味の強めなホラー短編集。それぞれ、「俳句」、「蝶」、「キノコ」にまつわるお話。
「俳句」は俳句の解釈で真相を追う認知症の元教師の一人称視点、読んでて気持ち悪い感覚が随所にあって最後に「あー」となる
「蝶」は夢の中の幻想的なホラーでオチが怖い。でもミステリとして伏線回収が成されるのが気持ちいい
「キノコ」はキノコの幻覚を見る男の話。頭がおかしくなったのか、でも見えるものは見える、このキノコは何なのか、そして最後に真相が…なミステリでこれが一番好きかも。オチも美しくて好き
小池壮彦『【完全版】日本の幽霊事件 封印された裏歴史』読んだ
実際の怪談を深堀りしていくドキュメンタリー小説で昔の文献の記述から「当時実際には何が起きて、それがどうやって怪談として語られるようになっていったのか」を解明しようとしたりする怪談にまつわる歴史のお話
今流行りのフェイクドキュメンタリー作品だと、こうやって資料を集めて怪異の正体を探って真相に迫ってくるのに合わせてだんだん怪異が……みたいな流れになっていくんだなぁ、と
アッと驚くようなエンターテイメントは無いけど「はぁ~なるほどなぁ」と思いながら読めて楽しい
八百屋お七の話が好きです
大島清昭『最恐の幽霊屋敷』読んだ
「住むと死ぬ幽霊屋敷」として有名な一軒家にまつわるお話。何故人が死ぬのか、原因となっている悪霊の正体は何なのか、そもそも本当に悪霊なんているのか、分からないまま不安なまま読み進めていくとどんどん人が死んでいく
最後の探偵の謎解きで謎は解ける、が……
原因と思われる悪霊が何体もいてそれにまつわる怪談が途中途中に挿入されてて全部普通に怖い
あの嫌な終わり方も含めて面白かったです