糸田屯
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糸田屯
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▼ライター/ディガー 【監修書籍】『海外ゲーム音楽ガイドブック』『ゲーム音楽家インタヴュー集』 【執筆参加書籍】『ゲーム音楽ディスクガイド』『新蒸気波要点ガイド』『ニューエイジ・ミュージック・ディスクガイド』『ハヤカワ文庫JA総解説1500』 【ブログ】https://camelletgo.blogspot.com/
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『海外ゲーム音楽ガイドブック』(監修:糸田屯+タナカハルカ)がDU BOOKSから刊行されました。
diskunion.net/dubooks/ct/d...

タナカ氏と最初の打ち合わせを行ったのは2022年10月。素晴らしい方々の協力を得ながら、約2年がかりで本書に取り組んできました。アルバムレビューやコラム、そしてコンポーザー・インタビューを通して、海外ゲーム音楽ディグのキッカケを得ていただけましたら幸いです。
ラロ・シフリンがディジー・ガレスピーと十数年ぶりに共演した『Free Ride』(1977)も『Black Widow』『Towering Toccata』と同一線上にある好盤(ジャケの2人の笑顔がまたよい)。シフリンが全作編曲を担い、当時60歳のガレスピーのプレイを引き立てるジャズ・ファンクど真ん中アルバムで、「Fire Dance」「Free Ride」などシビれる曲が満載。リー・リトナーも一部参加している。日本盤レコードは同年に出たものの、CD再発は1993年に欧米で一度しかしていない。再評価を俟つ。
jazzdispensary.bandcamp.com/album/free-r...
Free Ride, by Dizzy Gillespie
8 track album
jazzdispensary.bandcamp.com
今年9月にラロ・シフリンの『Black Widow』(1976)と『Towering Toccata』(1977)が日本盤で再発した。追悼リリースというよりは、CTIレコードのリイシュー企画ラインナップにこの2作が入っていた。
www.kingrecords.co.jp/cs/artist/ar...

フュージョン前夜のクロスオーバーブームの一翼を担ったCTIでシフリンがディスコ・ファンクをやる(かつ、売れ線も狙う)とこうなるという快作で、「ジョーズ」メインテーマのカバーがドゥーミーで強烈。シングル盤だと尺が8分ある。
music.youtube.com/watch?v=pd3v...
Jaws
YouTube video by Lalo Schifrin - Topic
music.youtube.com
『Intégrale Lalo Schifrin 1955-1962』のライナーノーツは、2007年にCOSMOPOLISに掲載されたラロ・シフリン インタビューを中心に構成されている。
cosmopolis.ch/fr/fr-lalo-s...

このインタビューがとても面白くて、音楽の道に進むか迷っていたシフリン青年が、アルゼンチンに演奏ツアーでやってきたフリードリヒ・グルダとピアノ連弾をしたことでジャズ・ミュージシャンを志す決心がついたという話も語られている。後のレジェンドふたりの邂逅である。ちなみにグルダが最初の南米演奏旅行をしたのは1949年なので、シフリン17歳、グルダ19歳の時。
Cosmopolis » Lalo Schifrin
cosmopolis.ch
今年7月に発売されたラロ・シフリンの初期作品集。

『Rendez Vous Dansant A Copacabana』(1955)
『Spectrum』(1957)
『Piano español』(1959)
『Lalo = Brilliance』(1962)
『Bossa Nova, New Brasilian Jazz』(1962)
『Piano, Strings and Bossa Nova』(1962)

上記6作をCD3枚組に収録した貴重アイテム。『Rendez Vous Dansant A Copacabana』『Spectrum』全曲のCD収録はもしかすると初かも。
『The Cannonball Adderley Quintet & Orchestra』はアルバム1曲目のジョー・ザヴィヌル作曲の「Experience In E」、2曲目のデヴィッド・アクセルロッド作曲の「Tensity」(両曲ともウィリアム・フィッシャー指揮)も重量級の長尺曲。総じてスリリングでたまらない。
open.spotify.com/intl-ja/albu...
Experience In E
open.spotify.com
キャノンボール・アダレイの後期作でCD化がされていないオーケストラ入りアルバム『The Cannonball Adderley Quintet & Orchestra』(1970)。本盤収録の「Dialogues for Jazz Quintet and Orchestra」はラロ・シフリンがアダレイからの依頼で書き下ろした12分の刺激的かつ華麗なクロスオーバー大曲。シフリンの16枚組BOX収録のインタビューによれば、当時クインシー・ジョーンズが譜面を目にして「気が狂ったのか」と心配したとか。
open.spotify.com/intl-ja/trac...
Dialogues For Jazz Quintet And Orchestra
open.spotify.com
今年6月に93歳で世を去ったラロ・シフリンの16枚組CD-BOX(2024年11月発売)を買った。横長のアートブック型パッケージで、生前に発売された企画盤では間違いなく最大規模のアイテム。ラロ・シフリンよ永遠なれ。

スパイ大作戦(ミッション:インポッシブル)、ダーティーハリー、燃えよドラゴンなど数多の著名作を手がけた映画音楽の巨匠のイメージが強いのだけど、ジミー・スミス、スタン・ゲッツなどのアレンジを手がけ、ディジー・ガレスピーに見いだされて彼の楽団に身を置いた敏腕ジャズミュージシャンであり、ジャンルや国を横断するフレキシブルな現代音楽家でもあり、多岐にわたる活動は知れば知るほど圧倒される。
糸田屯連載コラム「ミステリ・ディスク道を往く」の第1回掲載もミステリマガジン2018年7月号でした。今年で連載7年目です。

発売中の2025年10月号では第40回「今と昔、バンドに捧ぐアンソロジー」が掲載。ロックバンドや楽曲タイトルに着想を得たアンソロジー『夜の夢こそまこと 人間椅子小説集』『小説集 筋肉少女帯小説化計画』『ラヴ・マイナス・ゼロ』にフォーカスし、人間椅子、筋肉少女帯、甲斐バンドについて書いています。
www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000...
全ポスト履歴のダウンロード機能は今もありますよ(アカウント設定のところに項目があります)。リクエストしてからダウンロードの準備が完了するまで数日ほどかかりますが、一度リクエストすればOKです。
Twitter~Xの十数年ぶんの自分のポストをすべて見返して整理する作業を一年ほど前から断続的に行っている。あちらを更新することはもうないし非公開にして久しいのだけど、残したものを埋もれたままにしておくのは惜しい。

個人サイトを持っていたころから数えて現在までに移転すること4回(Xからblueskyへの移行で4度目)、その都度テキストの整理に多かれ少なかれ直面していて、記録と記憶の再インストールをしているような感じ。この前のTwilogのデータベース障害もあり、アーカイヴをいかに保持するかということを改めて考えてしまう。
アルバムに先駆けること数ヵ月前にスタジオライヴ動画を数本公開している。バンドの全貌をここまでオープンにしたことはこれまでなかったように思う。「Chewbacca」はTerrblething初期の名曲。

Terriblething - Chewbacca *LIVE*
youtu.be/J3fDzHPJQzU
Terriblething - Chewbacca *LIVE*
YouTube video by Terriblething
youtu.be
ピーター・ヘンリックを中心とするカナダのフレキシブル音楽集団 Terriblethingの3年ぶりのアルバム『More of the Different』。4ピースのバンド編成で初期の楽曲をリ・レコーディングした内容。2014年にヌルっと「出現」して以来、新譜が出るたびにチェックすること10余年、一周して戻ってきたような感慨をおぼえる。ブリティッシュポップのサイケ感をクリーミーに昇華したストレンジポップ。
terriblething.bandcamp.com/album/more-o...
ジュンク堂書店・池袋本店9階の音楽書コーナーにて、2025年6月30日まで「アニメとゲームと音楽のele-king booksフェア」が展開されています。
honto.jp/store/news/d...

『ゲーム音楽ディスクガイド』
『ゲーム音楽家インタヴュー集』
『別冊ele-king ゲーム音楽の最前線』
などなど。

『海外ゲーム音楽ガイドブック』(DU BOOKS)も置いていただいているようです。
honto店舗情報 - 【9F芸術】アニメとゲームと音楽のele-king booksフェア
国内外のポピュラー・カルチャーを中心に取り上げるele-king booksのおすすめ本フェア!5/28発売「抵抗とファ...
honto.jp
「パラレルワールドのリズムゲームRPGのサントラ」と形容されたデビューアルバム『COCOJOEY'S WORLD』(2022)で高濃度の存在感を示したシカゴの俊英COCOJOEYの第2作『STARS』が6月20日に出る。個人的に上半期ベストアルバム最有力候補。
cocojoey.bandcamp.com/album/stars

デジタルフュージョンとサイバーグラインドで切り刻みまくる仮想サントラ的甘辛ハイパーポップが素敵極まりなく、Fire-Toolzが好きなら間違いなくマスト。というかFire-Toolzその人であるAngel Marcloidがマスタリングを担当し、ギターで客演している。
90年代のCGアートジャケからしか得られない栄養がある。だいたい5年スパンでコンスタントにアルバムをリリースしているベルギーのダッシャン・ペトロッシ率いるメロディック・メタル・バンドMAGIC KINGDOMのデビューアルバム『The Arrival』(1999)もそう。アヴァロンから日本盤が出るようになるのは2nd『Metallic Tragedy』(2004)からなので、本作は日本未紹介。当時のヴォーカルは、後にFAIRYLANDに加入するマックス・ルクレ。
open.spotify.com/intl-ja/albu...
タマノリシコをペンネームに用いるなら多摩ノリシコではなく玉野リシコがよいと考える。リシコ(RISIKO)はドイツ語でリスクを意味する。要注意人物感が出る。
「アスファルトタイヤを切りつけながら暗闇走り抜ける」は、アスファルト「が」タイヤを切りつけるのではなく、アスファルト「に」タイヤを切りつけるでもなく、「アスファルトタイヤ」(タマノリシコみたいな存在)を切りつけるでもなく、アスファルトはあくまでタイヤを導く枕詞で、衝動を持て余したスラッシャーがタイヤを切りつけている、というイメージを考えてみる。途端に現代怪異めいてくるがこれはこれでアリかもしれない。阿倍仲麻呂が現代に生きていれば天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月のようにアスファルトタイヤを切りつけながら暗闇を走り抜けチープなスリルに身を任せながら明日に怯えていたかもしれない。
Paradoxes(1993)
Flood(1995)
Venus(1997)
Fantasma(2000)
Bridge(2002)
Flesh(2002)
North(2008)
Shells(2025)

EVERONの1stはゼロ・コーポレーション。2ndはアポロン。3rd(1998年盤と2000年再発盤あり)と4thはアヴァロン。5thと6thはベル・アンティーク。7th『North』で日本盤が見送られてしまったが、序盤からクライマックス級の盛り上がり(「Brief Encounter」)であり、傑作の誉れ高い。
everonprog.bandcamp.com/album/north
North, by Everon
10 track album
everonprog.bandcamp.com
ドイツの職人的重鎮、EVERONの16年ぶりのアルバム『Shells』のCD盤がようやく届く(何らかの事情で遅れていたようだ)。往年のジャーマン・シンフォニック・ロックの精神性の継承者。じっくり練られた滋味とロマンティシズムあふれる楽曲はもはや余人の及ばぬ領域にあり、聴くほどに味が出る。

オリジナルメンバーのクリスティアン・モースがアルバムの完成を見る前に亡くなったのは無念だが、冒頭曲「No Embrace」は長らくの空白を吹き飛ばす快作。ラストは『Flesh』(2002)の表題曲のリメイク。オリジナルを凌駕する泣きとスケール感を得て、今のEVERONの真骨頂をこの大曲でも存分に示している。
別冊ele-king
『渡辺信一郎のめくるめく世界』
(2025年5月28日発売)
www.ele-king.net/books/011766/

少しお手伝いしました。渡辺監督のロング・インタヴューはもちろんのこと、氏が選ぶ「オールタイムベスト100アルバム」も掲載。ピースがガシガシとハマっていく刺激的内容です。